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糸島市深江にあるミツルしょうゆ醸造元(じょうぞうもと)は、しょうゆの製造と販売を行う地元のしょうゆ屋さん。城慶典(じょうよしのり)さんは高校時代に「自社でしょうゆ仕込みを復活させる」という夢を抱(いだ)き、東京の大学に進学。複数のしょうゆ蔵で研修を積みながら、しょうゆづくりについて学びました。そして2013年、自社では40年ぶりに一から作り上げたしょうゆ「生成り(きなり)」が完成。しょうゆ業界でも珍(めずら)しい自社仕込みのしょうゆは、全国的にも注目を集めています。

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<取材をしてみて…>

とにかく、しょうゆづくりに対する熱い想いを感じました。高校時代に見つけた目標に向かって、一歩一歩努力してきた、そして「生成り(きなり)」というしょうゆをつくり上げた。それだけでもスゴいことなのに、慶典さんはつくるたびにしょうゆに工夫に加え、その味にこだわり続けています。“本気のこだわり”を持った大人は本当にカッコいい。僕も、“本気のこだわり”を持てる仕事を持ちたいと思いました。

記者:イッチー

撮影:もずく

学生:実際、今もどんどん増えてますよね。あの、少し難しい質問なんですけど、20年後のミツルしょうゆはどういうふうになっていると思いますか?

 

:え、20年後…?そうやね、さっき言った、京都のお酢屋さんに近い感じで、本当にやりたいものづくりだけで経営が成り立つようになっていればいいね。やっぱりそのためのブランド力をつけていきたい

 

学生:なるほど。

 

:あとね、そうやって、小さいしょうゆ屋さんがね、うちと同じようにこう、自分のところで一から作るっていうのがこれから増えていくと思うけん。

 

学生:一つのモデルみたいなものになれたらいいですね。

 

:まあね、そういうのになったらいいなって思うけどね。しょうゆって、言ってみれば生産量的には大きいメーカーさんだけで十分足りてるのよね。そういう意味ではおれらのような小さいしょうゆ屋には存在意味ってなくて、だからこそ意味のあるものをつくっていかんとだめだと思う。そうなってくると、やっぱり地元の食材とかが大事になってくるんよね。

 

学生:地元の良さを活かしたりしながら、いいしょうゆをつくっていくしょうゆ屋さんが増えるといいですね。ブログやYouTubeでも積極的に発信してらっしゃるので、慶典さんの想いはきっと広がっていくんじゃないかと思います。今日はありがとうございました。

学生:目標だった、自社で醸造したしょうゆが完成したのはいつ頃ですか?

 

:去年、2013年。2009年に戻ってきて、2010年に設備ができて、仕込んだのは2010年の秋くらいかな。結構バタバタだったよ。

 

学生:そうやって、この『生成り(きなり)』が完成して、とりあえずは目標達成という感じですか?

 

:達成…って感じはないね。今年はこういうふうにしたい!ってのが毎年毎年あるけんね。しょうゆは、例えば、サトウ何グラムで水何グラムで…って入れてつくるものじゃない。まったく同じものは作れないから味は変わっていくんだけど、結果が出るのは2年先やけんね。味が大きく変わるとクレームが出るから、ふつう醤油屋さんって保守的でね、配合とか麹(こうじ)の種類とか変えないんだけど、うちでは少しずつ変えていって、自分の経験値にしていきたいなと。

 

学生:味が変わってくるんですね。お客さんの苦情は心配になりませんか?

 

:でも味を変えんと、醤油のことをわかってこんしね。逆に毎年味が変わっていいんじゃないかって思って。だってほら、ワインとかだって、例えば何年のブドウの出来がよかったから味がいいとか言うし、むしろそれが面白いみたいな感じだしね。

 

学生:たしかにそうですね。そしたら、今後としては、毎年少しずつ新しい工夫をしながらしょうゆをつくっていきたい、と

 

:そうやね、あとは販路(はんろ)を増やしたいね。この醤油の意味をわかってくれて、それを売りたいって思ってやってくれるお店。今のところそういうお店にしか卸して(おろして)ないんだけど、そういうお店がどんどん増えてくれたらと思う

学生:しょうゆ屋さんとしての理想はありましたか?

 

:しょうゆ屋さんではないけど、京都にお酢を作っている醸造元があってね、そこの人にはすごくお世話になった。そこではまっとうな本当にいいものしか作ってなくて、それで経営が成り立ってる。さっきおれが言ったみたいに、百貨店(ひゃっかてん)ではいいものを売ってて、地元では添加物(てんかぶつ)の入った安いものをメインで売ってる会社が多いんだけど、そこは違っていて、すごいなって。そういう会社になりたいなって思う。

 

学生:そういう会社もあるんですね。

 

:その会社は品質もいいし、宣伝もすごくうまくて、すごく参考にしてる

PART3

意味のあるものをつくっていきたい。これからのミツルしょうゆ。

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